10月, 2015年

支部長挨拶

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   7月の日本病院会愛知県支部定例総会において新役員が決定しました。新体制において私は引き続き支部長を務めさせていただくことになりました。また、これまで愛知県支部において、消費税問題、医療制度問題等の重要な政策課題の検討に精力的に参画され、ご活躍いただきました先生方が、勤務先の定年を理由に役員を退任されることとなりました。これまで支部の活動にご尽力いただき、ありがとうございました。 先生方の後を引き継ぐ我々も、今後主要な政策課題について会員の皆様に情報を提供するとともに、愛知県支部の理事会で検討した内容について支部ニュース等で情報発信してまいりますと同時に日本病院会の中央の活動状況につきましても、早い時期に報告するよう努めてまいります。

    平成28年度の診療報酬改定では71要件のさらなる厳格化(重症度、医療・看護必要度等)が見込まれており、病床の縮減が懸念されます。一方、病床については昨年10月より病床機能報告制度がスタートし、それらの情報を基に、各構想区域で地域医療構想の策定に向けて地域医療の検討を行うワーキンググループが活動を開始しています。各構想区域の検討状況をみると、愛知県の人口は全体では増加傾向にあり、他県に比べ人口減少が緩やかに進行するため、大半の地域では、現段階ですぐに病床数が縮減される可能性は低いだろうと考えています。

 また、動向を注視すべき話題のひとつに専門医制度があります。当初見込まれていた運営/構成とは異なり、学会や大学の関与が強くなってきています。専門医制度は医療の質の担保という点では優れた制度と言えますが、地域医療の観点でみると、大都市圏や大病院に研修が集中し、地方や中小病院の医師確保に影響が出るのではないかという懸念があります。また、当面は学会の専門医制度と並走する分野もあり、選択できるのは一つの領域に限定されるなど、さまざまな問題をはらんでいます。

 さらに、医療事故調査制度がこの10月より開始します。新しい制度では予期せぬ死亡事故が発生した場合に院内調査委員会を立ち上げ、第三者機関に報告することとなりました。ガイドラインについては現在細目の検討が進んでおり、日本病院会からもガイドラインが示される予定です。

  療養病床については、いわゆる社会的入院の解消のため、平成 18 年の医療制度改革において、平成23 年度末までに介護療養病床を全廃、医療療養病床を約15万床に削減し、療養病床を大幅に再編することが決定したという経緯があります。その後、介護療養病床の老健施設等への転換が進んでいない状況を踏まえ、平成29年まで廃止時期を延長する措置が図られましたが、平成273月時点でなお6.3万床の介護療養病床が存続しているのが現状で、このままでは行き場を失う患者が発生する懸念があります。喫緊の問題として介護療養病床を含む療養病床の今後の在り方をどうするか。さらに2025(平成37)年を見据え、増大する慢性期の医療・介護ニーズに対応する医療・介護サービスの提供体制の在り方について選択肢を整理するというのが、大きなテーマです。

 2025年を見据えた医療提供体制の改革に向けて、ますます機能分化と連携強化の流れは加速していきますが、そこに最適化の視点が欠けてはなりません。日本中のすべての人が、適切な医療・介護を切れ目無く受ける事ができるよう、これからの時代と地域のニーズに合致した制度設計をしていく必要があります。

 

 我々を取り巻く環境にはさまざまな課題が山積しています。これらの課題に対し、当支部からも要望や提言の声をあげていきたいと考えています。皆様からご意見がありましたら、是非お寄せいただきますようお願いいたします。

 

 日本病院会愛知県支部 支部長 松本隆利

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